Lightsail と EC2 の選び方と移行パターン
AWS では、Lightsail と EC2 のいずれも仮想サーバを提供しますが、目的や規模に応じて選択基準が異なります。
本記事では、両者の特性、代表的な構成例、Terraform によるコード例、そして移行の流れを解説します。
どちらを選ぶべきか
Lightsail(シンプル・省運用)
- OS、ミドルウェア、アプリケーションをまとめた統合イメージが用意されており、数分で環境を立ち上げ可能。
- 固定帯域・月額課金制でコストを予測しやすい。
- 管理コンソールで完結する操作性が高く、小規模チームや MVP 開発に適している。
- 一方で、カスタマイズ性や拡張性は限定的。
EC2(柔軟・拡張志向)
- OS、Web サーバ、アプリケーション、DB などを自由に構成可能。
- VPC / ALB / Auto Scaling / IAM / CloudWatch など、他の AWS サービスと密に統合できる。
- 中〜大規模システム、セキュリティ要件や可用性が重視されるプロジェクトに最適。
- ただし、運用・保守の負担は高め。
代表的なアーキテクチャ構成
単一インスタンス構成
- EC2(Nginx + PHP-FPM + DB)
- 開発・検証環境や小規模サイト向け。
三層構成
- EC2(Web)+ RDS(DB)+ S3 / CloudFront(静的アセット配信)
- 一般的な WordPress や業務系 Web システムで採用される構成。
スケーラブル構成
- ALB + Auto Scaling Group(EC2)+ RDS Multi-AZ + S3 + ElastiCache
- 高トラフィック対応、冗長構成、セッション共有を考慮した設計。
Terraform による EC2 デプロイ例(抜粋)
resource "aws_instance" "wp" {
ami = "ami-xxxxxxxx"
instance_type = "t3.small"
# user_data 内で Nginx / PHP / WordPress を自動セットアップ
}
インフラをコード化(IaC)することで、再現性・可搬性の高い環境構築が可能になります。
チーム開発では GitOps や CI/CD パイプライン と組み合わせることで、安定したリリース運用が実現できます。
Lightsail から EC2 / RDS への移行ステップ
データエクスポート
- wp-cli や WordPress 用の移行プラグインを利用し、DB をエクスポート。
データベース移行
- エクスポートしたデータを RDS にインポート。
アプリケーション移設
- EC2 上に WordPress / PHP / Nginx を構築し、RDS へ接続設定を変更。
- wp-config.php の接続情報を更新。
メディアファイルのホスティング
- 画像・動画などの静的ファイルを S3 に配置し、CloudFront で配信。
DNS 切り替え・ロールバック対応
- Route 53 などで新環境のドメインを指すよう設定し、問題発生時に即座に戻せるよう冗長設計。
まとめ
- Lightsail:スピード重視・簡易運用に最適。
- EC2:拡張性・統合性を求める場合に選択。
- 規模拡大に合わせて Lightsail → EC2 / RDS へシームレスに移行できる設計を意識することで、将来的な運用コストを最小化できます。