C/S アーキテクチャ(Client/Server)
スタンドアロンからの進化として、クライアント(主に Windows)とサーバを分離した構成。
クライアントアプリ+ DB サーバの組み合わせが代表例です。
利点:当時として高性能、ローカル資源の活用により業務の電子化を加速。
課題:クライアント依存が高く、更新・保守が重い。技術のサポート終了やモバイルワーク非対応が事業成長の足かせに。
B/S アーキテクチャ(Browser/Server)
Web ブラウザをクライアントとする C/S。クロスプラットフォーム・クロスブラウザ対応で、企業向けに安定した提供体制を築きやすい。
限界:HTTP/HTTPS 前提のためリアルタイム性に制約。高速なやり取りが必要な場面では TCP/UDP 等の別プロトコルや専用基盤が必要。
適用領域:大規模業務(ERP/CRM 等)や社内基幹プラットフォーム。
三層/多層アーキテクチャ(N-tier、MVC/MVVM)
プレゼンテーション層・アプリケーション層・データ層(+物理層)に分離する定評ある構成。
利点:層ごとの独立性により並行開発が可能。影響範囲を限定して拡張・更新できる。
現在地:多くの三層システムが、コンテナやマイクロサービスを用いたクラウドネイティブ化の対象に。
マイクロサービスアーキテクチャ(Microservices)
アプリケーションを小さな独立サービスの集合として構築。
各サービスは明確な API で連携し、単一責務を担い、個別に更新・デプロイ・スケールできる。
効果:変更の独立性が高く、機能単位での開発速度と可用性が向上。
参考:AWS「マイクロサービスの概要」
クラウドネイティブアーキテクチャ(Cloud-native)
前提をデータセンターではなくクラウドに置く設計思想。
優れたアーキテクチャ原則をクラウド実装(サーバ、ネットワーク、ストレージのファブリック)に適用し、弾力性・俊敏性・可観測性を高める。
参考:
- AWS「What is Cloud-native」
- Google Cloud Blog「Cloud-native の 5 原則」
サーバーレス/エッジ、そして「脱中心化・AI ネイティブ」へ
今後は**「インテリジェント化 × 分散化 × 脱中心化」**が主潮流に。
サーバーレス/エッジ
需要に応じて自動でスケールし、ユーザー近傍で処理することで低レイテンシを実現。
脱中心化
分散クラウドやデータメッシュで、データと処理を最適配置。
AI ネイティブ
意思決定や最適化ロジックを AI が担い、自律的に進化するシステムへ。
アーキテクチャ進化の要点
- C/S → B/S → 多層で「分離と標準化」を獲得。
- マイクロサービス → クラウドネイティブで「俊敏性と拡張性」を確立。
- サーバーレス/エッジ → 脱中心化/AI ネイティブで「自律・分散・低遅延」へシフト。
ビジネス価値としてのアーキテクチャ
企業にとって重要なのは、現状のアーキテクチャ成熟度を見極め、段階的なモダナイゼーションを設計すること。
技術選定は目的ではなく、**ビジネス価値(俊敏性・品質・コスト・信頼性)**の最大化手段であるべきです。
アーキテクチャの変化は技術面だけでなく、企業が市場や顧客とどのように向き合うかという経営姿勢の変化でもあります。
これからの時代に求められるのは、変化に適応し続ける「進化するアーキテクチャ」なのです。
